今日の酒−−陸奥八仙

 今日の酒。陸奥八仙(八戸酒造・青森)純米無濾過中汲み生原酒。こう暑くなってくると、生酒に手が伸びるようになるのが人情。八戸の銘酒は米の旨味を引き出し、料理負けしない酒であった。この手の酒には、刺身や酢の物も合うが、こってりしたクリーム系の料理もよく合うので、家族との夕食で晩酌する際にはオールマイティに楽しめる。
 それにしても、世間の日本酒への無理解には頭が痛くなることが屡々ある。例えば、日本酒は二日酔いしやすいとは…。それは、口当たりよく呑みやすい冷や酒は適量を越えて飲みがちで、しかも醸造酒である日本酒は蒸留酒に比べて香りや味の成分が複雑である分、酔いを自覚するのが遅くなりがちなためだと思われる。しかし、アルコール添加をしない酒(純米酒)を飲んでいれば、二日酔いもそれほどひどいものはなく、同じだけビールで酔っぱらった時のそれとは比べものにならないくらい軽いものです。ビールは(言うまでもなく『発泡酒』にも)添加物が入っているものが殆どなので悪酔いしやすいのです。麦芽とホップで作られている「ヱビス」や「モルツ」や「よなよな」(http://www.rakuten.co.jp/yonayona/)を呑んでいれば別ですが。
 日本酒呑みの間でも、吟醸、さらに大吟醸という順にありがたられているが、私は純米か特別純米と蔵が銘打つクラスが好きで、あらばしり、ふなくち(いわゆる一番搾りだな)より、中汲みが好きです。綺麗すぎる味の酒は案外と飽きやすいもので、少しクセや雑味のある酒の方が呑み飽きしないもので。これも日本酒に関する誤解の一つかもしれない。味に関して言えば、日本酒に関しては口をそろえて「辛口」を所望するが、甘・辛が本当にそれほど意味があることなのだろうか。確かに「辛口」は糖類添加酒(三増酒)を免れる目安にはなるだろうが、「辛口」で味のない酒を旨いと言って呑んでいる味音痴が多すぎるのも日本酒にとって不幸なことであろう。
 ともかく。今宵も旨い酒に感謝。一週間、へとへとになってこの瞬間。旨い酒でなくてはやってられません。